2023年4月10日

送別茶会(2022年度)②

 ごきげんよう。

 送別茶会では道具の拝見を行いました。学校体験やあかつき祭、初釜では時間の都合で拝見を省略していましたが、秋から客作法と拝見の稽古をしていたのでこの度実践しました。



 薄茶器は早見征一の楽器蒔絵の中棗で、2020年のあかつき祭で使用したものと同じです。卒業生が1年生の時のあかつき祭以来ですが覚えていたでしょうか。笑

 茶杓は修禅寺彫りの竹の茶杓で、鍵和田松琴によって「茶の湯をば心に染めて目にかけず 耳をひそめて聞くこともなし」と彫られています。この歌は利休百首の一つで、「茶の湯の真髄は見たり聞いたりして理解するものではなく、自分で実践して得るものである」という意味があります。卒業してあれこれ言われることも少なくなるけれど、今後は自ら求めて得て欲しいという思いから、顧問のものですが茶会で使わせていただきました。



 掛軸は使用せず、昨年生徒会に申請して購入した桜の絵が描かれた色紙を使用しました。茶室から見えるお庭にも桜が舞っており、送別の茶会に相応しい場と掛物を用意することができました。

顧問 豊田


2023年4月3日

送別茶会(2022年度)①

  ごきげんよう。

 3月28日(火)に旧古河庭園内のお茶室で3年生を送る送別茶会を開催しました。

 本格的なお茶室を前に、部員の顔には期待と不安が見えました。普段の部活動では置炉を使用しているため、「炭を熾して灰の上に置き、釜を掛ける」という準備の工程を興味津々な様子で見ていました。



 亭主は随分と緊張し、普段の稽古通りとはいきませんでしたが、堂々とお点前ができていました。庭と障子一枚で接している茶室は少し肌寒く、釜から湯気が立ち上って大変風情がありました。



 お菓子は青柳さんが茶会の趣旨を考え、練切で「葉桜」をご用意してくださいました。干菓子は両口屋是清の二人静を使わせていただきました。



 あいにくの雨で風炉先屏風を持っていけませんでしたが、茶道部員20名と卒業生6名という大人数が一つのところに集まって茶会を開催し、無事に終了できたことは、部員の自信に繋がったのではないでしょうか。

顧問 豊田